当協議会は2002年に現在の会長がクラウドでの取説制作受注〜制作〜配信の特許を申請したことで、専用のSNSを利用し、消費者基本法を根拠にした取説の制作者を全国49拠点で指導していたテクニカルデザイナーの任意集団、テクニカルデザイナーズネットワークをNPO法人日本テクニカルデザイナーズ協会( JTDNA2005年設立)に組織を法人化したことに遡り、団体設立の経緯などが重要とし、以下にその歴史を示す。

2005年
  • PL対策の重要な取り組みとして消費者基本法第5条を準拠したわかりやすい消費者視点の取扱説明書の普及と保険代理店やコンサルの方に向けた企業防衛ではなく、消費者対応としてPLP(製品事故予防策)とPLD(製品事故発生後対策)を指導し、その育成プログラムとしてPL検定(商標取得)を開始した。
  • そのテキストとして、「最新!PL対策解説書2005」「取扱説明書ガイドライン2005」「テクニカルデザイナーデザイナーからのメッセージ」を自費出版した。
  • 東京板橋にて全体大会として4月に第1回PL対策セミナーを開催、毎年の主要事業とした。
  • 大阪、仙台、新潟にてPL対策セミナーを各地にて年2回開催
2007年
  • 日本通信販売協会の学術会議JASDMの法務部会に渡辺理事長が参加し、通販事業者でのPL対策について発表
  • 株式会社高島屋通信販売事業部が賛助会員となり品質保証の強化と広告物コンプライアンス検証事業を受託、並行して取扱説明書の点検などの製品安全対策の指導を開始した。
  • 株式会社ベルーナが賛助会員となり、主に大型家具などの事故の対策として、取扱説明書の改善、採用検討品の評価にて品質保証にて取扱説明書の検証を行うことになった。
  • PSアワード第1回が開催され、JTDNAでもこの表彰制度を会員企業に紹介、製品事故予防効果を目指した取扱説明書の改善を通し、リスクアセスメントの見直し、誤使用防止のための取り組みを開始した。
2009年
  • 消費者庁設立、経済産業省製品安全課設置により消費者安全政策が明確になったので、「最新!PL対策解説書2009」「取扱説明書ガイドライン2009」に改訂した。
  • 経済産業省では製品リコールでの製品事故未然防止・再発防止にて「製品安全社会の醸成」を2009年に当時の甘利経産大臣が公表、経産省の製品安全ガイド、消費生活用製品リコールハンドブックには示されていない部分についての教育やアドバイスを行った。
  • JTDNAのシンポジウムには経済産業省製品安全課より長期使用製品安全・点検制度についての講演をいただき、ガイドラインなどの記載についての意見をいただいた。
  • JTDNAが支援し新潟県三条市に鍛治学会が設立され、シンポジウムでJTDNA理事長渡辺吉明が開催挨拶、JTDNA会員の株式会社ベルーナが電動ベッドの事故と取扱説明書の改善効果について発表した。以下、GS1Japanの機関紙のレポートhttps://www.gs1jp.org/assets/img/pdf/rcnews_1603.pdf
  • BS放送「よみがえれニッポン ばばこういち」にて消費者視点の取扱説明書の普及の重要性を渡辺吉明が10分間放送いただいた。ばば様からJTDNAの出版物「テクニカルデザイナーからのメッセージ」を紹介いただいた。
2010年 
  • PSアワードにてJTDNAの指導した(株)相田合同工場が大臣賞を受賞
  • 消費者庁消費者安全課を訪問し、村上課長補佐統括が2011年4月のJTDNA製品安全シンポジウムにて基調講演をいただくことになった。
  • 製品評価技術基盤機構nite 長田参事官が同様にシンポジウムで講演をいただくことになった。
  • 東北工業大学ライフデザイン学部後期授業に「デザインとPL」の講義とPL検定を開始した。
2011年
  • 東日本大震災直後であったが消費者庁消費者安全課、nite、ベルーナ、三条地域のメーカーなどとシンポジウムを開催、120社以上のメーカー、小売事業者などと、製品事故の相談のあった廉価な電気ストーブの検証を全員で行なった。
  • 株式会社ニッセンが賛助会員になり取扱説明書の改善指導を開始した。
2012年
  • 「取扱説明書ガイドライン2012」と「最新!PL対策解説書2012」を出版し、東京、大阪、仙台、新潟でセミナーなどを開催、PL対策による製品安全対策の普及を推進した。
2013年
  • PSアワードにて賛助会員の株式会社コシダアートが特別賞を受賞、その後協力して関西地域での製品安全対策の普及を行なった。
  • PL訴訟が激変し、また製品リコールなどの相談が増えたが、国のハンドブックを紹介するも中小企業では費用面で実施できず、リコール保険の限界もあり、新たな対策が必要とし、東京、大阪、新潟でのヒアリングなどを開始した。
2014年
  • 東北工業大学宮城学長と理事長渡辺吉明にて任意団体PL研究学会を設立
  • NHK「クローズアップ現代」の取材を受け12月に報道された。動画はNHKより公益活動にての利用に限り使用許可を受けDVDが送付された。食品偽装、リコール、取扱説明書をテーマにしている(トップページにて閲覧可能)。
2015年 
  • 一般社団法人PL研究学会を設立、JTDNA理事長渡辺吉明が代表理事となり、大分大学名誉教授 大羽宏一先生を会長とし、法律体系研究部会(部会長 日本女子大学 細川教授)、製品リコール研究部会(千葉工業大学 越山教授部会長)、消費者対応研究部会(大羽会長部会長)にてProduct Liabilityと製品の安全に関する本格的な研究を開始した。
  • この組織の事務局及び通常業務の全てはJTDNAの事務局及び会員で担うこととした。
  • JTDNAシンポジウムにて「GS1標準と製品安全」について渡辺理事長が今後の製品リコールなどの動向を発表した。
  • 渡辺吉明が開発した「安全管理システム」の特許が取得できたことから、賛助会員TDNインターナショナル株式会社(デベロッパー)にて賛助会員、正会員などの協力でシステムの開発を本格的に試験運用を含め開発期間5年にてシステム構築を開始した。
  • TDN社が日本で初めてGS1usの1WorldSync.incと世界最大の商品情報データベースGDSNの契約を行い本格的な流通情報におけるビッグデータの研究を開始した。
  • GS1japanセミナーにて「安全点検アプリscodt」を発表した。
  • GS1Japan Handbook 2014-2015に「安全点検アプリscodt」の情報が海外のGS1パートナーに向け公開された。

※以後毎年セミナーとハンドブックのGS1QR B2Cの事例として「安全点検アプリscodt」の進捗が発表されている。

2016年 
  • 安全点検アプリの試験実装を開始、第1号は国が普及補助を行う通電火災を防止する「簡易感震ブレーカー スイッチ断ボールⅢ」で、TDN社がR&Dコンサルを行い、中国製をJTDNAの協力で国産化と国の認証を受けた製品である。認証に際し、取扱説明書(JTDNA正会員が制作)がQRで見れること、通知ができることなどが評価された。(2020年時点で80万個が販売されていて、システムでのアクセス履歴ではその状況が把握できている)
  • 新潟県燕三条地場産業振興センターにてJTDNAがサポートし、GS1QRを利用した製品リコール対応のモバイルアプリとグローバル市場への効果をテーマにしたイベントを開催、三条金物商組合が協賛し、製品安全対策のスマート化を提案した。
  • PL研究学会製品リコール研究部会長に渡辺吉明が着任し、製品リコールのDX化の本格的な研究を開始した。
  • PSアワードで会員の株式会社鈴文が商務流通保安審議官賞を受賞
  • GS1Japan HandBook2015-2016に同システムが掲載、世界のGS1パートナーに公表された。以後毎年進捗を公表していただいている。
  • これまでJTDNAで出版した「取扱説明書ガイドライン2015」を「取扱説明書ガイドライン2016」としてPL研究学会より出版した。
2017年
  • 12月のPL研究学会法律体系研究部会に和田経済産業省製品安全課長が参加、製品リコールのDX化推進のデジタルツールについての情報を提供した。
  • PL保険、リコール保険は1995年当時と現在は包括契約に組み込むことが多くなり、賠償約款がそれぞれの保険会社ごとに変わってしまい、保険会社もこのことについての関心が低くなったこと、特にタカタのエアバックの巨額リコールのことから輸出製品のリコール保険引き受けについて大手を除き積極的な販売をしなくなっていることなどで、JTDNAとしては一般論での保険活用に止めた。
2018年
  • 産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会(第1回)資料2が4月4日に公表され、製品リコールのIoT/ICTのシステムとして本体にQRコードを表示し、製品トレーサビリティを行うことを確認、その対応システムの普及を進め、製品安全対策のDX促進と、製品事故未然防止・再発防止を専門にした新たな業界団体として、一般社団法人PL対策推進協議会(APL)を11月1日に行い同時に事業を2019年に行うことを決定した。
  • 第49回信頼性・安全性シンポジウムにて渡辺吉明が「SOCIETY5.0社会の製品安全のスマート化の実施例について」を発表、製品安全点検アプリについての詳細を説明し、主催委員長の電気通信大学名誉教授 鈴木和幸先生より高い評価をいただき、PL研究学会活動に協力をいただくことになった。
  • PL研究学会製品リコール研究部会に製品リコール検討委員会を設置、委員長に国立大学法人電気通信大学名誉教授で品質管理、信頼性工学の鈴木和幸先生が着任され、明治大学名誉教授向殿政男先生などの指導を受け、特に製品事故の多い農作業や建築作業での製品安全と製品リコールの研究を進めることになった。
  • 10月、賛助会員のTDNインターナショナル株式会社にて開発してきた「製品安全点検アプリscodtを利用したcloudシステム」が完成し、幕張メッセにて開催された「農業ワールド2018」にてJTDNAで支援しJTDNAの会員などで試験実装を開始した。
2019年
  • 製品事故未然防止・再発防止のための社内体制整備について、広くより多くの事業者が現在の体制を壊さずに社内改革を行うためのマニュアル化を開始した。
  • JTDNAの全ての事業を新組織に移行するための作業を行った。
  • 一社)PL対策推進協議会が11月1日から事業を開始した。
  • 7月12日にPL研究学会第5回大会を開催、経済産業省製品事故対策室長補佐 橋爪様、明治大学名誉教授向殿政男先生、農研機構 藤井安全検査部長などから最新の情報提供をいただいた。
2020年
  •  4月に消費者庁消費者安全課と製品リコールデータベース、国の登録システムなどの利用促進を目指して大会準備をしたがCOVID-19の影響で開催を中止した。
  • このため製品事故未然防止・再発防止の社内体制整備を組み込んだ「最新!PL対策導入ガイド 動画」を公開した。
  • PL研究学会大会にて製品事故対策室長古田 英雄 室長(経済産業省)、向殿政男明治大学名誉教授、鈴木和幸電気通信大学名誉教授をお迎えし、基調講演などをいただいた。ニッポン消費者新聞7月1日号にて報道されている。
  • 協議会会長の渡辺吉明がPL研究学会製品リコール研究部会また製品リコール検討委員会での調査及び新技術の試験利用研究をまとめた「製品リコールとプロセスの重要性」の論文を公表し、これまで曖昧だった言葉の整理(例えば自主回収とリコール、国の回収命令など)を行い、TQMにてBlack Modeでのサイレントチェンジや市場リスクのモニタリングができていること、リスクコミュニケーションができていることを前提にした製品事故未然防止とその効果で再発防止ができることを明確にした。
  • 11月に参議院議員森まさこ様の執務室からzoom配信で、PL研究学会法律体系研究部会を開催、消費者庁設立に至った経緯、その後の状況、現在の問題点とデジタル庁創設の詳しい発表をいただいた。内容はニッポン消費者新聞12月号にて詳しく報道され、学会誌新PL研究6号にて日本女子大学細川教授により報告されている。
  • scodt cloudをAPLに移行し、社会実装を2022年4月より開始するにあたり、これまでの利用事業者(47社)での意向確認を行い、DeveloperのTDNインターナショナル株式会社役員会、株主総会での合意を受け新規契約募集を停止し、webサイトを含め完全移行を開始、2022年3月末に移行完了し、APLでの社会実装を開始する作業を開始した。
2021年
  • 4月24日第2回大会を開催、「超スマート社会における安全あんしん」をテーマにし、デジタルツール「安全点検アプリ」の普及を当協議会で本格的に進めることを公表した。食品リコールも報告義務化に伴い急増することから、同じアプリで食品も電動工具も使えることが重要とした。ニッポン消費者新聞5月1日号にて報道されている。
  • PSアワードに申し込み、2次審査後のヒアリングで取り組みの不足部分を指摘された。当年8月より2022年7月までの1年間でその指摘箇所の全てを改善することを本年の最大の目標として取り組みを開始した。
  • PL検定の事業実施の内容検証、改善を開始、2022年4月に新体制にてPL検定の普及促進を行う。
  • 「最新!PL対策解説書2022」及び「取扱説明書ガイドライン2022」を来年に出版するための最終的な調査ヒアリングのための講習会、勉強会、意見交換会を月2回開催し、多くの方の意見を伺い、参加者の中から希望の方を交え委員会を設置し、複数回の委員会を開催した。
  • 新PL研究6号2021(発行:PL研究学会)にて当協議会理事・特別顧問が下記の論文、研究ノートを発表した。PLやその対策を研究する学会はPL研究学会しかないため、当協議会の書籍、発表内容などはこの学会誌及び学会会員などの発表や書籍に根拠を置く。書籍資料は全て東京本部にていつでも閲覧可能である。
    https://aplics.org/index.php?paper
  •  GS1標準の特に北米の動向に注目し、当協議会にて普及を進めるGS1QRのB2Cでの安全点検アプリとそのシステムを利用した事業者のベネフィット、またその普及に際しての社内体制との関係を、メーカー、商社、流通小売などの視点で点検、企業訪問、ヒアリングを行った。
2022年
  • 1月よりPL news( PDFで無料公開)を毎月発行開始した。これによりこれまでのメルマガはAPLマガジン(会員1200名)としてイベントや重大事故の告知、イベントや協議会活動の内容、最新の製品安全に関わる情報などを掲載している。
  • 「最新!PL対策解説書2022」を出版し、バーチャルリアリティを視野に入れた Society5.0社会での製品事故未然防止・再発防止の体制整備の詳細を公表した。
  • 委員会などの組織の可視化が終了した。なお、実際の委員会はメタのグループチャットで行っており、「APL検索」で、一覧が表示され、正会員、賛助会員などで構成されている。
  • PL検定初級テキストのネット販売を開始した。
  • 協議会の案内パンフレット第2版を公開
  • 4月15日第3回大会とシンポジウムを開催した。第1部は大羽宏一PL研究学会会長・同協議会特別顧問のご挨拶・会員表彰、第2部では、明治大学名誉教授向殿政男先生の基調講演、アワード受賞企業や当協議会賛助会員でパネルディスカッションを行なった。総評を経済産業省製品安全課事故対策室長望月知子様よりいただき、最新の製品安全政策を発表いただいた。Zoomでは定員100名、会場参加は40名であった。ニッポン消費者新聞5月1日号にて報道されている。
  • 「取扱説明書ガイドライン2022」を発刊した。販売方法は当協議会ECサイトとAmazonであり、PL検定初級教科書、最新!PL対策解説書2022は全てオンライン購入できる。
  • PSアワードの申請に際し、準備書類の点検のできるチェックシートを作成、賛助会員と協議会で利用し必要項目の点検を行なった。
  • 本年度PSアワード事務局との相談会を終了し申し込みを行なった。
  • 7月25日内閣府官民連携プラットフォーム 「安全(製品安全・消費者安全)とSDGs分科会(JET主催)勉強会」を協賛し、インターリスクPSアワード事務局より詳細説明を行う。
  • 7月29日PL研究学会第8回大会を開催。今回も昨年に引き続き「製品の安全とSDGs」をテーマとし、食品安全と表示に焦点を当てた。