製品安全社会の実現

当協議会が提唱する最新のPL対策を動画にまとめました。

超スマート社会でのPL対策

一般的に製品の品質については、所定の品質基準(規定)に基づき販売後の購入者への責任を果たすことになっています。例えば保証書などに書いてあることです。これは所定の期間、無料で修理や交換を行うこと、災害などの場合は補償しないなどの規定を示していて、狭義の取り組みです。その後通常に使用していても欠陥が原因で事故になると被害者に対して様々な損害の賠償責任が生じます。このことの事業者の責任を明確に定めた法律がPL法です。また、消費者安全については、消費者基本法に定められた事業者の責務、消費者の権利を正しく理解し、製品の安全に関する情報を伝えることが求められます。

体制の整備

体制整備イメージ図

上図は「最新!PL対策解説書2022」の製品事故未然防止・再発防止を実現するための体制整備を示した図です。 これまでのような垂直構造の体制整備から、情報を経営から各部署が共有し、効率よく水平構造の製品のP(企画)~D (設計)~C(製造)~A(品質保証)を機能させ、会社、外注先、販売先、さらに最も大切な市場のお客様の安全を確保すること、さらにそのための継続的な人材育成、教育、最新の情報の取得などが重要になります。
モバイル社会であること、テレワークも当たり前の社会、これからはメタバースの様なバーチャルリアリティも視野に入れた体制整備の更新が急務です。これができないと、取扱説明書も改善できず、結果として、表示欠陥、クレームの増加、市場対応の遅れといった、経営の根幹に影響します。

体制整備を含めた最新のPL対策を「PL検定」を利用した専門家育成プログラムで学びましょう。

リスクコミュニケーションがこの先の繁栄を支える

  • 異常や不具合情報の取得(発見)
  • 製品の適正な寿命がきたら確実に伝える
  • 迅速なリコール告知で使用中止を伝える
  • 流通段階での不良品の発見方法の確立
  • 異常をリアルタイムに通知する手段の確保
  • 各プロセスのデータ解析によるリアルタイムの状況監視と対応

このような課題を解決するため、世界標準のグローバルなユニークコードを利用した世界初の安全点検アプリ「すこどっと」を実装しました。

PL法を正しく理解すること

店舗、事務所、行政施設など様々な場所で業務用機械が使われています。施設の天井につけたプロジェクターの落下など、これらが万一トラブルを起こし消費者を含め損害が生じれば、まずはPL法による「通常有すべき安全性に欠けている」ことや不法行為として、設置・保守点検事業者やメーカー、輸入元の責任を問われます。事業所の施設などでは、そのことにより、営業ができなくなることなどの拡大損害も生じ、賠償額は巨額になります。

製品自主回収・リコールを正しく理解すること

消費生活用製品ではないから、として専門家しかわからないマニュアルを改善しないでいることや、事故の発生や再発を防止するための是正処置(自主回収やリコール)を正しく理解しないで、ただ回収やリコールを行うと公表してそのまま消費者市場での製品回収などを実施、ISO/IEC Guide51に示される「許容できるリスクにする」ための正しい是正処置を行わないケースが多発しています。

まずは、自宅や会社の製品の安全点検をしましょう。

ではどうやって多様なものの点検を行うのか、ここがいつも曖昧になっています。

天井につけた照明器具や換気装置、エアコン、そして厨房のコンロや調理用家電、調理用機器、さまざまな機械器具、さらに多くのブランドなどがあり、点検時期を過ぎたもの、設計寿命を過ぎで経年劣化によるトラブルの可能性のあるもの、時に製品リコール対象品もあります。これでは掛け声だけになり、使う側、消費者には点検する方法がなく「点検詐欺」も出ています。

具体的な安全点検ができる設計を行うこと

ではその対策は無いのでしょうか。当協議会はそれを実現するための方法を具体的に示していつでもすぐに利用できるようにしています。

  1. 取扱説明書の見直しとそれをいつでも利用者が探さずに見られること
  2. 点検時期や寿命、リコール中のことなどを製品そのものでわかること
  3. その対応も直ちに簡単に正確にモバイルで行えること

このようなことを行うにも日頃から製品設計に「製品トレーサビリティ」を組み込み、製品ユーザーと直接リスクコミュニケーションのできることが重要です。

食品関連メーカーなどの食品安全強化法対策に

米国では食品安全保障としてバイオテロを鑑み米国内での安全確保について関連法の整備を進めているようです。JETROの情報からは、加工事業者が生産物などの原材料やその加工工程における異物混入、特に悪意のテロ行為としての毒物などの混入に対することとして一次生産品のトレーサビリティを求めており、万一テロも含めその食品被害が生じた場合は、その体制整備の脆弱性を根拠として介入する方向のようです。

よって、異常が発見された後の対応の遅れでの特に今もできていない消費者とのリスクコミュニケーションが問題になってきます。食品業界のリコールは、自主回収としていることから、回収率などの報告義務もありません。今後はそれらも含め科学的根拠のあるデータを求められると思われます。

当協議の「安全点検アプリ」はそれらにも対応するためのものであり、GS1USのSunrize2027によりJANの2次元化移行を視野に入れたものです。このため本年度から食品加工機械器具、食品などの分野への普及を進めてまいります。